2023/05/31

昨日の演奏会で、
世界初演『左手ピアノ独奏のためのソナタ“苦海浄土によせる”』を
聴いた。
その解説の中で、『のさり』という言葉に出会い。。
石牟礼道子著『苦海浄土―わが水俣病』の中で語られる、
『のさり』とは『自分が求めなくても天の恵を授かった』という
水俣の漁師言葉だそう。
嬉しいことも 『のさり』
辛く悲しいことも『のさり』
そして、耐えがたい苦しみを与えた水俣病を、
『のさり(天の恵み)』と表現するようになったと。
これは、深い魂の浄化で。
許しをもって、浄化する。
許さなければ、辛すぎて苦しすぎる。
『のさり』として前向きに生きていける。
以前、
連続ワークショップの『こころセラピー』の中で
『チャレンジ(試練)』というテーマについて講義をした。
『チャレンジ(試練)』は、
エントリーじゃなくて、高次からのノミネートだと。
それに、通づるものを感じた。
天は二物を与えず・・・という言葉がある。
よく、人より優れ、
たくさんの長所と思われるものを持っている人に出会うと、
『おいおい、天(神)、ちゃんと分配してよ~~』」と
思うこともある。(笑)
でも、私たちが、
望もうが、望まないが関係なしに
天は私たちに恵みを与えているのだと。
それを、小さな個人の限られた判断の中で、
勝手に、悲しい、辛い、楽しい、嬉しい♪
を、やっているだけなのかもしれない。
生きてきることが『のさり』であって『天の恵み』を
授かっている。