2023/05/31
『ようしゅやまごぼう』をご存知でしょうか。
↑のような、ブルーベリーっぽい、濃紫の実です。
この時期、色がつきはじめた実を見ることが出来ます。
そして、その実を見るたびに思い出されることが・・・・
はじめての出会いは、確か小学校１－２年。理科の教科書でした。
そして・・・
次回の理科の時間に使うために、「ようしゅやまごぼうの実を持ってくる」
という宿題が出ました。
教科書の写真？だったか絵だったか？覚えてないのですが、
実物を見たことがないので、どんなものか凄く憧れたのですね。
こんなにも、美しい紫色の実があるなんて♪
で、自分で、近所をあちこち見回って、探したのですが
・・・見つからない。
1970年代といっても、品川区ですから、そんなに庭もちの家も
多くなく。
当然、自分の家の庭も見ましたが、ありませんでした。。
自力で、探すのは諦めて、父母に、相談したのです。
（この時から、人に頼むのは、最小限にしたい傾向が出てます）
大人を巻き込んで、何とかして、宿題を全うさせたかったわけです。
そして、何とか、やっと、実を付けているお庭を発見し。
そのお宅に、宿題との理由を言って、実をわけて頂いたのです。
「じゃ、お友達の分もどうぞ」と言って、気を利かせて2房切って
頂いたのを、今でもありがたく思い出します。
そ・し・て・・・
いよいよ理科の授業になりました。。
持ってきた人・・・・
クラスで、たったの3人でした。（1クラス45人ぐらい居たはず）
え？？
うそ。
宿題だよ？
自分にとって、
「ありませんでした。やってきませんでした」
という、選択肢は存在してなかったので、かなりの衝撃を受けました。
しかも、
みんな、堂々としている。
何故なんだ？？
幼心に、複雑になりました。。（オイラのあの努力は？？）
それで、先生の出方です。
（どーするのか？？授業として成り立たんぞ？？と観察すると）
いとも、
さらっと、
「じゃ、持ってきた人から、みんなもらってください～～」
・・・・
衝撃過ぎて、もう、自分が宿題をやってきた人・・・という価値が
無に等しいことが。。
しかも、教師！
おい、みんなが出来ない宿題を出すな！
っていうか、出来なかった時の事を想定して、自分で準備するべきだろっ！！
と、低学年の私でも、そう感じたのです。
いや。。。
その固定観念を打ち砕いてくれたのです。
絶対しなければいけない・・・
は、世の中に無い。
もう、宝石を見つけた！！ぐらいの貴重な紫の実のことなんか、
とっくにふっとんでいました。
自分の中で、約束は守らないと・・・それこそ、打ち首！
ぐらいに思ってたことが、
ガラガラと音を立てて、崩れていったのです。
「この世に、絶対しなければならないことはない」
と同時に、
逆に
「この世に、絶対ダメなことなんかもない」
と、ぼんやーり、衝撃に身を包みながら、
ようしゅやまごぼうの実で、指を紫色に染める・・・夏の日。
今でも、ようしゅやまごぼうの実を見かけると、
幼い日の、そのことを思い出すのです。。。
